京都大学 宇宙ユニット シンポジウム「宇宙にひろがる人類文明の未来 2015」初ポスター発表で、得たもの。

photo by genki
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2012年度よりシンポジウム告知のポスターのデザインを担当させていただいてる「宇宙ユニット」のシンポジウム。

「宇宙は多様性があるってことが大事だから、アダチ・デザイン研究室のポスターも出展したら?」という磯部さんの打診に、

「研究者でもないのにポスター発表が出来る機会なんて、一生に一度のことかも!」と、「学会」「ポスター発表」のキーワードで検索し、手探りでポスターを作ることに。

印刷も1枚単位は初めてなので、対応してくれるところがあるのか探し、24時間365日営業中(!)というこちらに。

 

いざ作り始めたものの「研究しているわけではないのに展示しても意味あるのかなぁ……」と考えた結果、

小さなきっかけから始まった「宇宙デザイン」のお仕事が、2012年から2年間という短い期間で広がったことから「膨張する宇宙デザイン」と題し、制作物に関わった研究者の方々の熱い想いと、

会場に来る宇宙に関わりたい学生さんや宇宙が好きな方がポスターを見て、

「宇宙の研究や宇宙開発だけではなく、こういった道(デザインや可視化などの道)も選択肢としてあるんだ!」と思えるようなものを作ろうと決めました。

 

ポスター出展者の人数、タイトルが紹介されたときは、正直ビビリました。

当たり前なのですが、研究の発表ですもんね。むしろ、わたしが質問しに伺いたい内容が多々ありました。

また、JAXAさんや三菱重工さんが企業ブースで参加するということは、これまでサイトで見たような「素敵な図」や「衛星の模型」を展示するだろうから、普通に展示していたら目に留まらないだろうな……と。

いよいよ、1月10日(土)当日がやってきました。百周年時計台記念館の国際交流ホール広いです! そして、絨毯が赤い!

ポスターの貼り方もわからなかったので、京大の院生さんが手伝ってくださいました。研究の内容もその時に聞いたりしつつ。

 

▼ポスター会場の入口。 会場左側が展示、 プレゼンタイムになると右側のステージで、数グループがプレゼンします。

▼「アダチ・デザイン研究室」ブースはこんな感じです。発表者によく聞かれたのは「このポスター、つなぎ目ないですけどサイズどうなってるんですか?」でした。A0サイズをヨコ位置に使い、上下で貼ってます。
   つなぎ目は、あります。

▼テーブルにはポスター内で紹介されているデザインした作品と、サイエンスカフェやシンポジウムでお話を伺った時のメモ書き「宇宙ノート」を展示しています。
  「nature本」は「これから出る宇宙な本」として展示。

▼準備中に、わたしのブースから見たところ。他のブースは、おもいきり研究ポスターですね。「ここには、誰も来てもらえないかも……」という不安が。

▼そんな不安を打ち消し、大大大盛況!!! 他のブースに行く暇もなく、ずっと説明してました!!!「他の内容が難しくて……」と、このブースは箸休め的にも繁盛していたようです(笑)。

photo by genki
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余談:会場の入口写真を撮っているときに、「宇宙太陽光発電あれどうなの?」と質問され答えたのですが、SPSに関する研究について少しは理解していたので、なんとかなって良かったです(笑)。


ポスター発表を終えて

一番多かった質問は、 「ここは一体、何なんですか?」 「ここだけ異質ですよね」でした。
みなさんポスター見て、数分ポカーンとした後にテーブルの作品展示を見て「?」という顔になっているので話かけやすかったです。
事務所名に「研究室」が使われているため 「宇宙のデザインを研究しているところなのかな?」と思われた方も。

次に多かったのは「宇宙デザインを始めたきっかけは?」でした。
これは狙い通りだったので、持っていった本で説明。
すると何故か人がたくさん集まって、共感した方が「星たちのダンス」を読んでみようとメモしてくださいました。 この反応は予想外でした。

「膨張する宇宙」を理解している方は、ポスターを見て大笑いしておりましたが、
宇宙になんとなく興味がある方にとっては「この図をデザインされたのですか?」でした。
「nature本」の隣に「宇宙ノート」があったせいか「実験ノート?」と、時期的にそんなツッコミを入れてくる方も多かったです。

タブレットを置いたことで、質問に答えている間、集まった他の方に何をしているか説明できなくても、タブレットを見てなんとなく理解してもらえたようでした。


各ブースの学生さんたちが「準備中から気になっていて」と、持ち場を抜け出し見にきてくださったのはありがたかったです。
「いま、卒論を書いていて図と文章をわけようか悩んでいたんですが、わけた方がわかりやすいなと見て思ったので助かりました」という言葉に、
少なからず、卒論に貢献できて良かったなと感じました。 建築科で「宇宙建築」について卒論を書いているそうです!

また、美術系高校に通う娘さんを持つ宇宙大好きなお母様が「こういうデザインをすることもできるんだって娘に伝えたいから」と、
娘さんの進路相談も兼ね、作品もたくさん写真におさめてくれたので、数年後にライバルが現れるかもしれないと鼻息が荒くなりました。

心残りは「 " 膨張する宇宙 " の図の外側には何があるんですか?」と、聞かれて答えられないことでした。
研究者だったら「まだ解明されていません」「これはイメージ図です」と、何かしら答えられたはず……と思いながら、
サイエンスな図を使用する場合は、こういう質問があるかもしれないことをふまえ、注意しなくてはならず、まだまだ勉強が必要だということも知りました。

 

初ポスター発表で、得たもの

このポスターを制作するにあたり、辿って来た時間を溯って行く作業の中で、
「たくさんの出来事、たくさんの方々との出会いによって、いま "宇宙なデザイン" をすることができてるんだ! これは、すごい奇蹟的なことだし、なんて壮大なんだろう!! これこそ " 宇宙 " だ!」

と盛り上がりながら、関係者の方々に「当時のエピソードを紹介させていただいてもよろしいでしょうか?」というお願いメールを出しておりました。
暮れのお忙しい時期にもかかわらず即答していただき、本当に感謝しております。

普段、来たものを受け作業していると、つながりに対し希薄になっている部分があって、時間がかなりかかりましたがこうして確かめるいい機会になりました。

そう考えると、ポスター発表の発表自体はライブなので、その前の「何のテーマでどう伝えたいか」という部分に本当の意味があるのかもしれませんね。

また「膨張する宇宙」について、ちゃんと理解しないと「見出し文」が書けなかったので、なんとなくではなく学び直す良いきっかけにもなりました!
それも楽しかったです。

 

「宇宙ユニット」関係者のみなさま、素晴らしい機会をありがとうございました!

ポスターのまとめにも書きましたが、
宇宙な研究が続く限り「宇宙デザイン」膨張し続けます!

 

室長(次のお仕事、ぜひ是非お待ちしております☆)